夢、高く買います!
§1
市岡政雄は山陰に向かうため、ファーストクラスに乗っていた。
当然のことながら、座席はいつも使う ...
短編集「自首の理由」出版!
評価のよかった四つの短編を見直しまとめた短編集「自首の理由」の電子書籍をアマゾンで販売しました!
価格は250円ですが、Kindle Unlimited会員は無料 ...
遊園地ジャック
息が出来ない。門村は布団の上で動けなくなっていた。
意識はあるのだが、体を動かそうとしても動かせないのだ。
(殺られるとこう ...
パラレルワールド
§1
朝の陽がぽかぽかと射し込み、夜中に冷え切っていた室内が快適な温度になった。
ベッドの ...
コンタクト
このお伽噺はあなたのタイムラインの実話かもしれない
1
オオカミ女
ある晩、車で帰宅途中、僕が小さな川にかかる【もどり橋】にさしかかった時のことだ。
欄干によじ登る女性の影が月光に浮かんだ。
身っ、身投げだっ!
僕は急ブレーキをかけ車か ...
鏡台の恋人
§1
柴崎祐美は天野酉彦教授の部屋の少し開いているドアをノックした。
数回ノックしても返事がないので、祐美はドアをそっと開けて中を覗いた。
「あのう、誰もいませんか?」
すると教授の少し間 ...
祇園精舎の弓
起
弓道部の練習を終えた笹木良樹は辻野広也と校舎を出た。
弓袋に入れた弓を背負いつつ二人は歩道を並んで歩いてゆく。
明日は県下の高校の弓道大会なのである。
良樹が広也に言う。
「今 ...
自首の理由
1
夜の八時を過ぎた警察署の正面玄関は営業時間外の店舗のようにひっそりと静まりかえっている。しかし鷹木がドアを開け、さらに内扉の中に踏み入ると、節電のためか全開ではな ...