短編小説,中編小説

夢祈願


 

  §1
 

 市岡政雄は山陰に向かうため、ファーストクラスに乗っていた。

 当然のことながら、座席はいつも使う ...

中編小説

ラジオ


 

 高速道路でバイクにまたがり四輪車の脇をすり抜けながら、アクセルをふかす。
 自分の胸から肩へ風圧がかかり、浮くように感じる。

短編小説,メモ

短編集「自首の理由」


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短編小説

コーヒーカップ


 

 息が出来ない。門村は布団の上で動けなくなっていた。
 意識はあるのだが、体を動かそうとしても動かせないのだ。
(殺られるとこう ...

ショート

追試


 ショックだ。人生初めての追試だ。

 木佐間亮は放課後残って、追試を受けるはめになった。
 科目はもちろん数学だ。
 クラスの三分の一ぐらいが ...

短編小説

ホタル


 

  1

 達也は夏期講習をさぼって部屋でゲームをしていた。
「あー、暑っ」
 コントローラーを放り出した卓也は、キッ ...

短編小説,中編小説

白馬


 

  §1

 

 朝の陽がぽかぽかと射し込み、夜中に冷え切っていた室内が快適な温度になった。
 ベッドの ...

ショート

スージー級戦闘機


 2021年、マリーはまだ13歳で母のアテナにくっついて既に5年間もフランスのパリで地球人になりすまして暮らしていた。
 マリー達、プレアデスのタイゲタ人を始めと ...

ショート

クモの糸


 

 亜太郎は銭湯の番台のような席に向かって正座させられていた。両脇から亜太郎の腕をきつく掴んでいるのは大きな赤い顔に赤い胸、赤い腕の鬼だ。

ショート

オードリー


 

 あれは高度経済成長が始まった頃の昭和。僕は赤坂のとあるホテルのボーイだった。
 そこへ有名な外国女優がお忍びで来たことがあった。運良く ...