短編小説

鏡台

  §1

 柴崎祐美は天野酉彦教授の部屋の少し開いているドアをノックした。
 数回ノックしても返事がないので、祐美はドアをそっと開けて中を覗いた。
「あのう、誰もいませんか?」
 すると教授の少し間 ...