短編小説

オオカミ女

 

 ある晩、車で帰宅途中、僕が小さな川にかかる【もどり橋】にさしかかった時のことだ。
 欄干によじ登る女性の影が月光に浮かんだ。

 身っ、身投げだっ!

 僕は急ブレーキをかけ車か ...