短編小説

弓

 起

 弓道部の練習を終えた笹木良樹は辻野広也と校舎を出た。
 弓袋に入れた弓を背負いつつ二人は歩道を並んで歩いてゆく。
 明日は県下の高校の弓道大会なのである。
 良樹が広也に言う。
「今 ...