長編小説

信長天魔王 上巻

 

信秀叛旗

 こうして信秀は側室となったおてふと恋の叶った睦まじい日々を送っていたが、胸に常にあるのはあの上洛の折りに見た都の荒廃した悲惨であり、戦の世を終わらせるために己が邁進するという決意であった。