名前は諱いみなだぞ
時代物になると考証的に違和感が生まれるのが、例えば「信長様」という呼び方です。
大河ドラマで「ここは信長様から」「いや家康殿から」などというシーンは絶対にあり得ないのです。
もし貴方がタイムスリップして信長様に会えて「わあ、信長様~」と呼んだら
信長様は「なんだとお~」とお怒り、お手討ちまであります。
そう呼んでいいのは親か、親よりも偉い方だけです。
なぜなら今呼ぶ名前の部分は本来は秘すべき、忌むべき「忌み名」=「諱」だから
他人が気安く呼ぶことなどあり得なかったのです。
そのため呼ぶ時用に通称がありました。
信長様の場合なら、「三郎様」、「上総介様」、「右府様」、などで、それなら呼んでも形としては大丈夫です。
当然、時代小説で会話を書く場合も本来は通称を用いるべきなのですが、そうすると読者は「誰だこれ?」となってしまい、話がはずみません。さらにそもそも通称のわからない方もいっぱいなので難しいところですね。
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